惜みなく愛は奪う

 

今日は珍しく 彼氏と会わない日曜日でした。

わたしはわたしが 精神的に不安定にならないか心配だったけど、

朝起きて

野菜ジュースを飲んで

靴を三足洗って

パスタを茹でて

喫茶店で本を読んで

夕方の河川敷を散歩して

昔習ってたピアノを弾いていたら、

おどろくくらい心が満たされていて。

さみしいとか会いたいとか 一切思わなかったし

むしろ彼氏から そういった旨の連絡がきていて。

 

なんていうか、いまのわたし、いいな って思ったんですよね。

 

彼氏(だった人)に振られて、ODしてラリった状態で外に飛び出して軽トラックにはねられた あの頃を思い出すよ。

ドライヤーのコードで首をくくったあの頃。

キャバクラの体験入店でひどい頭痛になったあの頃。

ウィンストンのキャスターに火をつけないと落ち着かなかったあの頃。

マイスリーをつまみにウイスキーを飲んでいたあの頃。

てきとうな男とてきとうなLINEしててきとうなラブホテルで寝ていたあの頃。

 

数年前のわたしと比べて相対的に かもしれないけど、

いまのわたしを わたしはすきです。

 

さみしい会いたい愛してるよ、愛してよ会いにきてよ愛してよって いくら叫んでも、

むしろ叫べば叫ぶほど、愛は遠ざかっていくんだね。

 

「この人がいなくなったらわたしはもう、どうしようもない」

そんなふうに思うようになったら、もう終わりなのかもしれないな。

 

べつに彼氏のことは好きだし愛してるけど、わたしのすべてではないし、仮に失ったとしてもわたしはわたしでいられるよ。

わたしはいまの生活を十分に楽しんでいるし、仕事でもプライベートでも、手ごたえのある男だっているよ。

そういうスタンスでいると、勝手にむこうから追いかけてくれるようになっている。

 

 

どうせなら、愛するより愛されたいな、

あしたは新しいリップと新しいスカートで出かけよう。

 

惜みなく愛は奪うものだ。

 

 

思想なき眼

「先生、どうしてわたしが考えなくちゃ、いけないんですか?」

「先生が教えてくれればいいのに」

 

驚いた。こいつの脳みそは一体どうなってるんだ。その場にメスがあれば切り開いてその頭ン中拝みたい、そんな衝動に駆られるわたしを別のわたしが抑えて、つまるところわたしは閉口した。

 

思考停止。

 

考えて考えて考えつめて、「わたしってなんで生きてんだろ」とか思って、「生きてる意味なんてないんじゃないだろうか」「死んだほうがマシなんじゃないだろうか」そーなって自殺するよりはマシだとたくさんは言う。

「死んだら負け」、あーそーですか、思考停止して脳みそ殺した脳死状態のやつらでも、「生きていれば勝ち」なんですか?

わたしはどうしてもそうは思えない、でもだからと言ってどうして考えなくちゃだめなのかもわからない。どうして思考停止がだめなのかもハッキリ言えない。くやしい。

 

いろんなもの、すべてのものに触れて考えて感じて、痛い苦しいむかつく殺したい許せない悲しい辛い死にたい死ね殺す、ぜんぶ思えばいいじゃん痛めよ、痛めよ不感症。

 

こんな文章もタテスクロールで忘れる、そこになんの感情も感慨もない。

それでも生きてんのか、

夢十夜

いつものように、君を君の家に送る。

君の家は緩い坂の一番上にある。車のアクセルを踏んで、いつものように、登る。

「今日ね、真美ちゃんに聞かれちゃったの」

君は俺の左隣で、突然口を開く。

「何を聞かれたの?」

「あなたの他に、何人男がいるのかって」

「え?」

え?   俺の他、え?

ゆら、と、道路に引かれた白い平行線が揺らいで見えた、気がした。

「それで、いるの、何人」

しどろもどろになる俺に目もくれず、君はフロントガラスに向き合ったまま、言葉を放った。

「うん。いるの。10人」

自分でもはっきりと、血の気が引いていくのがわかった。

「でもね。いいよね?   あなたはそれでも」

「良くないよ!」

反射で言葉が出ていた。良くないよ、それじゃ。なんで、いいんだよ。なんでそんなことを言うのか、君がわからない。

「俺は、その10人を合わせた中で何番目なの」

なんでこんなことを聞いてしまったのか、俺がわからない。

「入らないよ。あなたはその中に」

君がそう言ったのと同時に、坂の一番上に着いた。

「ありがとうね」

君はそう言って、シートベルトを外し、車から出て行ってしまう。

俺は君の何なの。

俺は君の何なの。

俺はただ、君のことが。

 

 

そこでふっと目が覚めた。

左隣には、俺のベッドですやすやと寝息を立てている君が居た。

それでようやく夢だと気付く。

眠る君に口付けて、思い切り抱きしめる。

そして君は目を覚ます。

俺はただ、君のことが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝目が覚めたら恋人が、こんな夢を見たと言って話してくれた話です。

話せば正夢にはならないから、と話す恋人を見ながら、この人を不安にさせたくないのにな、と思いました

 

 

 

わが戦争に対処せる工夫の数々

 

インスタグラムの新機能の名前が「ストーリー」だと言うのは、なかなか的を射た命名ではないかと思う。

SNSで垣間見える人々は、決して真実ではない。当人は真実を発信しているつもりが、少しずつ本物から偽物に成り代わっているのだ。

 

●ちょっとでも可愛く見られたいから、頬を削って目を大きくしましょう。

●海に行ったけど、水面が綺麗じゃあなかったから、彩度を上げて綺麗な青にしましょう。

●本当は女友達と行ったカフェだけど、敢えて誰と行ったかは言及しないで、彼氏の存在を匂わせてみましょう。

 

そうやって、「充実した毎日を送っていて彼氏からも愛されている、可愛い顔をしたわたし像」が構築される。わたしたちがSNSを更新するたびに、わたしたちの真実は虚構になっていく。

SNSの人間は本物じゃあない。それはストーリー、物語であり、フィクションに過ぎないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしは時々、それを忘れてしまうから、備忘録として書きました。

SNSによるマウンティング戦争に疲れたら、ふっと思い出してください。

 

 

1年間Twitterをして思ったこと

 

今日で、Twitterに@u_b_1というアカウントを作って1年になりました。

いい機会なので、Twitterをやっていて感じたことを、だらだら書いていきたいと思います。

 

2ちゃんねるに「半年ROMれ」という言葉があるけれど、わたしはTwitterを1年ROMっていました。

FF0の鍵アカウントで、好きなアカウントを非公開リストに入れて、毎日毎日それを眺めていました。(笑)

「わたしもちゃんとフォローして、この人たちと会話したい!」とは思っていたけれど、今更入っていける気もせず、気が付いたら1年間もROM状態でした。

 

それでも、勇気を出してアカウントを作ってみて、気になっていた人たちをフォローしてみたら、思っていたよりもフォロバしてもらえたり、ツイートに反応をもらえたりして、その新参者を嫌がらない空気にびっくりしたのを覚えています。

その時は嬉しかったなあ。

今だって、嬉しいことはたくさんたくさんあるよ。

 

Twitterは、川の流れみたいだな、と思います。

 

来るもの拒まず、去る者追わず、

嫌ならブロック・リムーブしてしまえばいいし、

とにかく縦スクロールで次から次へと流れてゆく。

嫌いだったり不愉快だったりするツイートも流れてゆく。

反対に、好きなツイートだって流れてゆく。

それはちょっと、怖いことだな、と思います。

 

嬉しいこと楽しいこと幸せなこと、死んでも記憶していたいことが、指先一つで流れていってしまうということ。

先週面白いと思ったツイートも、もう覚えていないし、もしかしたら、昨日のことさえもう覚えていないかもしれない。

それってやっぱり、怖いことだと思います。

忘却は余りにも気持ちがいいことだから。

 

Twitterをはじめて、嬉しい楽しい、それだけじゃなくて悲しい腹が立つ、色々な感情を抱くことができたけれど、全部全部覚えていたいな、と思います。

 

 

そうそう、何が話したかったかと言うと、もしも去年までのわたしみたいにROMっている人がいたら、ぜひぜひフォローしてきて欲しいな、ということです。

 

ではでは。

引き続きよろしくお願いします。

 

私は海をだきしめていたい

 

「ねえ、俺、本当に君のことが好きだよ。君は信じてくれないだろうけど、ずっとずっと、君のことが好きなんだよ。そんなこと知ってる?    聞き飽きた?    それでも構わないよ。君は俺が君を好きなことを、ずっと前から知っている。あまつさえそれを利用している。だって君は俺が嫌いだから。そうでしょう?    わかってるよ。君の一挙手一投足は全て演技だ。その目も指の流れも、全部嘘だ。君は君の持っている全てを使って俺を喜ばせておきながら、腹の底では、そんな俺のことを嗤っている。わ、やめろよ。今こうやって、君が俺のことを抱きしめたのも、演技だろ?    俺の肩の上で、見えないけど今君は嘲笑を浮かべているね。見えないけど、俺には見えるよ。え?    なんだって?    君も俺のことが好き?    嘘だね。君のお得意な嘘だ。だって、君は俺のことを絶対に好きにはならないから。なんなら、君は誰のことも好きにならない。好きになれないんだ。だけど君は、誰からも好かれないと気が済まない。今だって君のiPhoneはたくさんの男たちからのLINEの通知でひっきりなしに鳴っている。知らないけど、知ってるよ。君にとって俺は、不特定多数の男の中の内の1人に過ぎないんだ。君は決して満たされない。例えるなら、穴の空いた底抜けバケツだ。だからこうやって、嘘っぱちの好きを振り撒いている。君は淋しい。そしてとても弱くて、可哀想だ。君は誰のことも好きになれない。もちろん俺のことなんて、絶対に好きにならない。ずっと俺の一方的な感情なんだ。だから好きなんだ。だから俺は君のことが好きなんだよ。わかる?    いや、わからなくていいよ。むしろ、君にはわからないでいて欲しい。君と俺が付き合うなんてことは、永遠にないんだ。付き合わないから、君は手に入らないから、君は偶像に成り得るんだ。俺の永遠でいられるんだよ。偶像崇拝なんてのは、一見偶像が人を支配しているように見えて、本当は反対なんだ。偶像からは、意志も心も全て剥ぎ取られるから。偶像じゃなくてアイドルって言えばわかりやすいかな?    だから俺は、偶像崇拝を続けている限り、偶像を支配することができるんだ。だけどひとたび付き合ってしまえば一変、この支配被支配の関係は壊れてしまう。支配対支配に取って代わってしまう。つまり、俺が君に一方的にぶつけていた理想幻想妄想、そして軽蔑に同情、その全てが壊されてしまうんだ。俺はそれがどうしようもなく、怖い。君の中身が見えて、君の本当の中身が俺の幻想を破壊するのが怖いんだよ。くだらないだろ?    仕様もないだろ?     嗤ってくれ。そうそう、それだよ。その笑った瞳の奥の、蔑んだ表情が好きだ。俺が君の上で、だらしない顔して腰を振っている時に見る目と同じ、その目だよ。蔑んだ、憎悪と嫌悪を含んだその目。他の男とする時も、その目をしているんだろ?    いい、いい。言わなくていい。君が他の誰とセックスしようと、俺は構わないんだ。苦しいけど、それでいいんだ。だけど間違っても、誰かに本気になんて、ならないでくれよ。君がこの先誰かと付き合って、結婚することだって、あるかもしれない。だけど本気で好きになんて、ならないでくれ。男なんて、そうやって心の中で馬鹿にして、君は馬鹿なフリをして、演技をして騙し続けていてくれ。本当の心なんて、誰にも見せないでくれ。俺にも見せないでくれ。そうして初めて、俺たちは永遠でいられるんだ。永遠に幸せでいられるんだよ。意味がわからない?    それでいいんだ。それがいいんだ。そんな君だから好きなんだ。ねえ、俺は本当に君が好きなんだよ。俺は君のことが好きだ。返事はいらない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前回メス臭い文章を書いてしまったので今回は対極、オス臭い文章を書こうと思ったけど結局、メス臭い文章になってしまっただってわたしメスだもん、男の気持ちなんてわからないしわからなくていいよ

 

 

 

秋風記

 

秋がわたしを弱くする。

 

Tと一緒に、好きなバンドのライブに行った。

Tというのは、1年前に別れた人。

かわいいって思われたくて、やっぱりいいなって思われたくて、鏡とにらめっこしていたら、待ち合わせの時間に、少し遅れてしまった。

「来てくれないと思った」

Tにそう言われて、ちくりと胸が痛んだ。

当たり前だ、わたしとTは、付き合っていないんだから。

一緒に居る約束など、ひとつも交わしていないのだから。

当たり前だ。

 

会場へ向かう電車のきっぷを買うために、サイフを出したら、ふたりとも新しいサイフになっていた。

それは、わたしのが茶色で、Tのが黒色だという違いだけで、形もデザインも、ほとんど一緒だった。

趣味が元々似ていたのかもしれない。

付き合っていたときに似たのかもしれない。

そんなこと、考えたって、仕方のないことだ。

 

ライブは整理券のないフリーライブで、前の方で見るためには、2時間弱並ぶ必要があった。

全然苦にならなかった。

長い時間人と居ることが苦手なわたしだけど、Tは一緒に居て、とても楽だ。

付き合っている間、ずっと一緒に居たから、慣れているだけかもしれない。

それも、考えたって仕方のないことだ。

 

昔みたいに、イヤホンを半分こして、この曲をやってくれるといいね、あの曲はやらないかなあなどと話す。

「俺、この曲をやってくれたら泣くと思う」

Tがそう言った曲は、別れた恋人への未練の歌だった。

 

その曲は、ライブの終盤に演奏された。

わたしとTは、その曲が流れている間ずっと、指を繋いでいた。

顔は見られなかった。

 

ライブが終わって、そのまま、夜ごはんを食べに行った。

付き合っている頃、行きつけだった店。

注文の時、店員さんに新商品をオススメされて、断れずに頼んでしまうT。

ああ、わたし、この人のこういう、どうしようもなく弱い優しさが、悲しいくらい優しい弱さが好きだったなあ、と思う。

 

ふたりとも、何かに追われているみたいに、立て続けにお酒を頼んだ。

それも、度数の高いものばかり。

酔っ払ってしまいたかった。

「酔っている」を口実にしたかった。

付き合いはじめた時は、お互い未成年だったから、大人だということが、なんだかちょっと悲しかった。

 

わたしがトイレから帰ったら、お会計はもう済んでいた。

必死に伝票を探しながらTをちらと見たら、Tは意地悪く笑っていて、そういうところが本当にずるいと思った。

 

酔ったフリして家に行った。

酔ったフリして抱き合った。

酔ったフリしたTが「好きだよ」と言った。

酔ったフリして「大好き」と言った。

酔ったフリしてキスをした。

酔ったフリしてセックスした。

「しなくても良かったんだ」

そう言ったTを、自分のために信じなかった。

 

 何が正解かわからなかった。

わたしには彼氏がいる。

Tにも女の子がいる。1人2人じゃあ、ないと思う。

何が正解かわからなかった。

わたし自身が、これ以上を望んでしまうことが怖かった。

わたしがTに抱く感情は、わたしとTが「別れている」状態だから、成り立っているのかもしれない。

考えが、頭の中でぐるぐるぐるぐる回って、それがわたしの本当の気持ちなのか、正当化しようとしているものなのか、自分自身でわからなかった。

わたしがTを好きなのかどうかさえわからなかった。

ぜんぶ錯覚な気がした。

 

「2月のライブも一緒に行こう」

Tにそう言われて、チケット申し込みのページを見た。

本当はきっと、一緒に行きたかった。
だけど、3ヶ月後にもあなたとわたしが一緒にいるかなんてわからないから。
3ヶ月後にもあなたがわたしを好きかなんてわからないから。
3ヶ月後にもわたしがあなたを好きかなんてわからないから。

「申し込み」の文字は押せなかった。

 

 

読み返したらきっと、あんまりにもメス臭い自分に腹が立って、ぜんぶ消してしまいそうだから、読み返さずに「更新」の文字を押すことにします。

 

本当に、秋はわたしを弱くする。